あらすじ
魔力を持たないせいで、「無能」と蔑まれてきた青年レン。
冒険者として細々と暮らしていた彼は、ある日、王国有数の名門であるヴァルトハイム公爵家の護衛選抜に参加する。
そこで出会ったのは、触れた人間を石に変える『灰石の呪い』を宿し、誰からも恐れられている公爵令嬢セシリアだった。
屋敷を襲撃者が襲った際、階段から落ちたセシリアを素手で抱き止めたレン。
しかし、彼の体は石にならなかった。
魔力を一切持たないレンには、セシリアの呪いが通用しない。
その事実を知った公爵から、レンはセシリアの専属護衛に任命される。
「これは、あなたが本当に安全か確かめているだけです」
初めて他人に触れられるようになったセシリアは、何かと理由をつけてレンの手や腕に触れるようになる。
けれど恋愛に疎いレンは、彼女の行動をただの安全確認だと信じて疑わない。
口では冷たく突き放しながら、レンが離れようとすると不機嫌になるセシリア。
そんな二人の距離が少しずつ近づく一方で、彼女の呪いが自然に生まれたものではないことが判明する。
さらに、呪いを無効化していると思われていたレンの体にも、少しずつ石化の痕が現れ始めて――。
誰にも触れられなかった令嬢と、彼女にだけ触れられる無能な護衛。
一度つないだ手を離さないため、二人は王国に隠された呪いの真相へ立ち向かう。