あらすじ
誰も私を望まない。
父も、母も、姉も、使用人も。
そして初めて恋をした人にも。
コルソー子爵家に生まれたアシェルは、誰からも愛される姉ローゼリアとは正反対の存在だった。
姉は父譲りの金の髪と母譲りの美しい緑の瞳を持ち、妹はくすんだ銀の髪と冷たい青の瞳を持って生まれた。
不吉。不気味。
そう言われ続け、外では金色のカツラを被ることを強いられてきた。
そんなある夜会でのこと。
人目を避けて逃げ込んだ庭園で、涙を流す一人の青年と出会う。
彼の涙を拭ってあげたい。
けれど自分が関われば彼に迷惑がかるかもしれない。
そう思いアシェルは、刺繍入りのハンカチだけを残しその場を去った。
それから数日後。姉へ持ち込まれた縁談。
その相手は最北の地を守る辺境伯、ルーカス・ボルトニア。
人々から『死神』と恐れられる冷酷な男だった。
しかし姉はその縁談を嫌がり、代わりにアシェルを差し出す。
そしてアシェルが嫁ぐ先で出会ったのはあの夜、庭園で涙を流していた青年だった。
※ハッピーエンドではありませんのでご注意ください