あらすじ

父の骨は、思っていたより軽かった。 五十代の慎一は、父の死をきっかけに、奇妙な夢を見るようになる。 そこには、若い頃の父、幼い自分、もう存在しない町並みがあった。 税金、社会保険料、葬儀費用、役所の手続き。 人は生きている間も、死んだ後も、何かの仕組みの中にいる。 父は生前、病室でこう言った。 「身体は借りものだったんだな」 人生が夢なら、なぜ人は金を使うのか。 どうせ土に帰るなら、なぜ悪いことをしてはいけないのか。 親が子どものためにしたことは、本当に子どもの幸せだったのか。 死ねば身体は土に帰る。 では、魂はどこへ帰るのか。 そして、生きていた時の記憶は、どれだけ持ち帰れるのか。 人生が夢でも、他人の痛みまで夢とは限らない。 父と息子の記憶をたどる、静かな現代幻想小説。

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カクヨム
カクヨム2026/07/15
  • 現在の作品『借りものの身体で見た夢』