あらすじ
システムエンジニアとして働く高石花純(たかいし かすみ)28歳は、結婚して2年の夫、大輝29歳がいる。彼は上場企業の総合商社、後藤商社に勤めるエリート営業マンで、傍から見れば、高級マンションに暮らす彼らは、勝ち組そのもの。
だが、花純は人知れず、結婚生活に不安を感じていた。理由は、彼女が高校生のときに相談した占いの結果で、「26歳に結婚する相手とは、破綻するから勧めない」と言われていたのだ。その言葉が、真面目で素直な彼女の心の中で、残り続けていたため、家庭生活を守りたい一心で、夫に尽くす日々を送っていたのである。
そんな彼女の気持ちを知らない夫の大輝は、花純と同じ会社の佐伯弥江香(27歳)と不倫関係にある。
妻を微塵も愛していない仮面良夫の大輝。なぜなら彼は、花純に対し、復讐する目的で近づいて、結婚していたのだ。
高校球児として、実家から離れた強豪校の寮生活を送っていた2年生の終わりころ。彼の妹が自殺した。そのせいで母親が精神的に異常をきたしてしまい、影響は大輝にも及ぶ。高校最後の野球生活は散々な結果となり、自分の夢も家族も壊されてしまった。ある日、妹を自殺に追いやったのは、地元の「酒蔵のお嬢様」に因縁をつけられたせいだと知り、花純を苦しめるために結婚した。だが、そのことを花純は知らない。大輝は、花純から家族と、彼女の父親が買ってくれたマンションを奪い、どん底に突き落とすことを狙っている。
そんな中、早く離婚して欲しいと急かす愛人から意図的に届けられた夫の忘れ物。そこから、夫の不倫を疑い始める花純。彼女は、同じ会社で働くシステムエンジニアの後藤海斗28歳の協力を得て、証拠集めをしていたが、夫と不倫相手によって逆に追い詰められ、窮地に陥る。
最終的には、海斗の父親が経営する会社で大輝が働いていたことで、大輝と愛人は、それぞれの会社を追われる。
花純と大輝の離婚が成立したのち、大輝は自分の復讐相手が違っていたことを知る。長年恨んでいた人物は、目の前にいる弥江香だったことに気づいたあと、花純との結婚生活を思い起こし、深い後悔と弥江香への強烈な嫌悪感に変わる。
愛には愛を、憎悪には憎悪が戻ってくる、サスペンス人間ドラマ。