あらすじ
宇宙外生命体との戦争で、十二歳から十一年間も戦い続けた転移能力者・神代標。最後の決戦で時空の歪みに呑まれた彼は、平行世界に生きる“落ちこぼれの自分”へと転移する。
そこは、属性魔法が重んじられ、無属性魔法が見下される世界。標は魔力量も少なく、天蓋士を養成する魔法学校の卒業を目前にして、企業からの採用通知はゼロだった。
だが、この世界では大人数や物資を運べる転移能力者が存在しない。
――ならば、もう命懸けで働く必要はない。
元世界の戦闘技術と、世界唯一の巨大な転移門。その通行料を武器に、標は自分を見下した学生や企業を尻目に、金と自由と快適な生活を手に入れていく。
「便利な転移門? 全部俺の私物だ。タダで使えると思うな」
これは、世界を救える力を持ちながら、英雄より昼寝を選ぶ性悪な守銭奴が、誰にも雇われず悠々自適を目指す物語。