あらすじ
VRMMO『アーク・オブ・エイドス』で、召喚獣と肩を並べて戦いたくてサモナーを選んだ俺。
だがサモナーは、序盤では一体しか召喚獣を連れ出せない。
強力な召喚獣を手に入れれば、今の相棒を手放して契約を乗り換える――そんな、初期の引きで将来が決まる最弱職だった。
俺が引き当てた初期召喚獣は、折れた軍旗を背負う無言の騎士団長ヴェルド。
所属団員:0名
副官:0名
召喚可能部隊:0
《軍旗招来》《方陣指揮》《騎士団戦術》
――発動条件を満たしていません。
騎士団長なのに、部下がいない。
一人で剣を振るうしかないヴェルドは、軍勢を率いてこそ真価を発揮する、序盤では外れ扱いの召喚獣だった。
けれど、怯える小ゴブリンを無言で庇ったヴェルドを見て、俺は決める。
こいつを捨てない。こいつと一緒に、騎士団を作る。
倒すだけでは、敵は仲間にならない。
戦い方。
救うべき相手。
守るべきもの。
それぞれに隠された撃破条件を満たした時だけ、倒した敵は《灰旗騎士団》への入団を選ぶ。
契約と召喚の権利を持つのは俺。ヴェルドは、その仲間たちを騎士団として指揮する団長だ。
雑兵は兵士に。
希少種は隊長に。
ボス級は副官に。
隠しクエストで手に入れた《絆の進化図譜》で仲間たちの進化先を見極め、斥候、盾兵、工兵、砲兵、騎兵を揃えていく。
最初は、俺と喋れない騎士団長だけ。
最弱サモナーは、倒した敵を最高の仲間へ変えながら、やがて大規模レイドの戦場に、自分だけの騎士団を進軍させる。