あらすじ

「昨日をやり直せる世界で、令嬢は昨日に戻り——それでも死んだ。」 西暦3500年代。世界でただ一台の装置〈基針〉が、時間を一日だけ巻き戻せる時代。遡行の権利は平等に与えられるが、実際に執行されるのは一日に二回——死者を救う「救済の席」と、国家が売り買いする「商いの席」だけ。人々は戻せない死を弔い、使われない切り札を抱いて生きている。 時計庁監査局の新人・時任ソラ、二十二歳。遡行の使い道を事後に監査する仕事に就く彼女のもとへ、奇妙な死亡通知が届く。資産家令嬢・久遠寺エマ、二十一歳。台帳によれば、彼女は死の当日、自ら昨日へ戻っていた——世界に二つきりの席を引き当てておきながらなぜ死んだのか。 「台帳が記すのは、権利だ。人じゃない」 記録と証言が食い違う密室のような一日。「消された日を覚えている」と語る不可解な青年・日下栞。そして五年前、姉が死の三分前に遡行権を使っていたという、ソラ自身の解せない過去。 やり直せる世界の完全犯罪に、やり直しの利かない捜査で挑む。

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小説を読もう2026/07/15
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