あらすじ

「お前のような愛想のない女は、犬とでも結婚しろ!」 満月の夜会で婚約を破棄された伯爵令嬢セシリア、十九歳。 凍りつく大広間――王妃陛下の足元から、巨大な黒犬が歩み出た。 「では、私ではどうだ」 「犬が喋りました」 「公爵だ」 「……明朝の散歩を終えてから、お返事に伺います」 黒犬の正体は、北方公爵ヴィルヘルム。 代替わりの呪いで、人に戻れるのは夜明けの鐘から一刻だけ。 ひと月以内に「自由な意思で」伴侶に選ばれなければ、公爵位まで失うという。 なのにこの犬公爵、まったく急かしてこない。 「断ってくれてよい。あなたの言葉は、あなたのものだ」 かくして始まる、犬の姿の求婚儀礼。 挨拶に来れば尻尾が花瓶を薙ぎ払い、 散歩に出れば「王都条例」で自ら引き紐を差し出し、 贈り物は宝石でも花でもなく、丈夫な散歩靴。 「尻尾が、回っておいでです」 「風だ」 「無風です」 毎朝の散歩と、丘の上の一刻だけの語らい。 犬より約束を守らなかった元婚約者を横目に、 わたしは少しずつ、「隣にいてください」を自分の言葉にしていく――。 急かさない公爵様(犬)と、急がない令嬢の、 満月までひと月の求婚儀礼ラブコメディ。

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カクヨム
カクヨム2026/07/15
  • 現在の作品「犬とでも結婚しろ」と婚約破棄された令嬢、朝だけ人間の【黒犬公爵様】に求婚されています ~まず散歩を終えてからにしてください~