あらすじ
研究とは、世界の常識を書き換える営みだ。
薬学研究者として感染症や微生物を研究していた青年は、ある日突然、中世レベルの文明を持つ異世界へ転生する。
そこには抗生物質も、消毒という概念も、衛生学も、科学的な医療も存在しなかった。
人々は感染症で命を落とし、傷は化膿し、出産は命懸け。病気は「神の試練」とされ、多くの命が救われることなく失われていく。
しかし、彼は万能ではない。
現代の設備も、薬も、培養器もない。
試験管一つ手に入れることさえ難しい世界で頼れるのは、自らが積み重ねてきた薬学と研究者としての知識、そして「考える力」だけだった。
仮説を立てる。
観察する。
実験する。
失敗する。
記録する。
そして、もう一度挑戦する。
一つの成功を奇跡で終わらせず、誰もが再現できる「技術」へと変えていく。
やがて主人公は、一人の天才的な少女と出会う。
彼女に医学と科学を教え、共に研究を重ね、仲間を育て、医療制度を整え、病院を建て、研究所を設立し、世界初の医学校を創設する。
これは、一人の英雄が世界を救う物語ではない。
知識を受け継ぎ、人を育て、研究という文化を根付かせることで、世界そのものを変えていく物語。
目指すのは、誰もが安心して病を治せる場所――医都。
これは後に「医都」と呼ばれる街を築き上げた、一人の薬学研究者の記録である。
※非科学的な表現も登場しますが、研究描写に関しては、実際を大事にしたいと考えてます。