あらすじ

新興住宅地で町内会長を務める六十七歳の五代(ごだい)。 毎朝の旗振り、ゴミ集積所の管理、夏祭りの準備……。 住民たちは月三百円の会費を理由に、彼の「無償の善意」をまるで当然のインフラのように酷使し、誰も手を貸そうとはしない。 ​「仕事が忙しいから」「タイパが悪いから」 合理的な言い訳で逃げる現役世代の重荷をすべて背負い、ついに猛暑の中で倒れてしまった五代。 しかし、病院に運ばれた彼に突きつけられたのは、労いの言葉ではなく、住民たちの身勝手なクレームだった――。 ​「ご自身の足元に転がっている汚物は、どうぞご自身で片付けてください」 ​我慢の限界を迎えたお人好しの老人が、冷徹な一礼とともにすべての役割を「ストライキ」したとき、街の秩序は静かに、そして完璧に崩壊を始める。 ​現代社会の急所と「タイパ主義」の歪みを鋭く抉る、痛快で少しビターな現代の寓話。 ​※アイン・ランド『肩をすくめるアトラス』へのリスペクトを込めた短編です。

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カクヨム2026/07/15
  • 現在の作品肩をすくめる町内会長