あらすじ
『返事をしていない。』『秘密のままで』に続く、佐伯康太三部作、完結編。
すべてを失った男、佐伯康太。
バレエダンサーとしての夢も、家庭も、居場所もなくし、スーパーでアルバイトをしながら静かな日々を送っていた。
そんな彼の前に現れたのは、高校時代の同級生・林由美子。
「わたし、ずっと待ってた」
長年秘めてきた想いを打ち明けた由美子は、貯め続けた貯金で戸建てを購入し、康太と新しい人生を歩み始める。
ようやく訪れた穏やかな暮らし。
しかし深夜、寝室へ投げ込まれた一つの石が、その幸せを打ち砕く。
「返して。」
残された四文字のメッセージ。
元妻・聖歌なのか。
かつて愛した美和なのか。
それとも、まだ姿を見せていない誰かなのか。
疑いと恐怖の果てに康太が知るのは、事件の真相だけではない。
誰にも返事をせず、曖昧な優しさで多くの女性を傷つけ続けた、自分自身の本当の姿だった。
最後に病室を訪れた女は誰なのか。
そして、佐伯康太は、その声へ返事をすることができるのか――。
三部作、ここに完結。