あらすじ

大阪で働くごく普通の青年・宇野湊は、ある日、大河ドラマの題字で見た、「ひらがな」に心を奪われる。 それまで、書道とは、ほとんど縁のない人生だったが、その文字の美しさが忘れられなかった。 「こんな文字を書けるようになりたい。」 その想いを胸に、書道を学べる場所を探し始めた湊は、縁あって、京都で、かな書道を教える寺本昌玄の教室を紹介される。 携帯電話で連絡を取り、見学の約束を交わし、初めて京都の教室へ向かった。 そこには、湊が想像していたような、厳しく張り詰めた空気だけの世界ではなく、書を真剣に学びながらも、どこかあたたかく、穏やかな空気が流れる稽古場があった。 師匠はもちろん、そこに集う人たちも皆、書を愛し、それぞれの目標に向かって筆を握っている。 そして目の前で書かれた一筆に、湊は息を呑む。 美しいだけではない。 長い年月をかけて積み重ねられた技術と感性が、一つの線の中に宿っていた。 憧れから始まった一歩だった。 しかし、その日、湊が出会ったのは書の技術だけではない。 書を通して人がつながり、支え合い、高め合う世界だった。 これは、大河ドラマの題字で見た「ひらがな」に心を動かされた一人の青年が、あたたかな師や仲間たちと出会い、かな書道を通して成長していく物語である。

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カクヨム2026/07/15
  • 現在の作品かなの道