あらすじ
文明開化の波に揺れる明治の東京。
幼なじみの涼は、西洋の技術を学ぶため異国へ旅立つ朝、「必ず迎えに来る」と澄に約束を残した。
それから三年――。
街は洋館やガス灯、人力車が行き交う新しい景色へと変わっていく一方で、澄だけは届くはずの便りを待ち続けていた。少しずつ減っていく手紙に、不安と希望の間で揺れながらも、あの日の約束だけは信じ続ける。
やがて迎えた、雨上がりのある朝。
夜明けの鐘が響く東京で、一通の手紙が止まっていた時間を静かに動かし始める。
変わりゆく時代の中で、それでも変わらない想いはあるのか――。
約束を信じ続けた一人の女性が迎える、切なくも温かな明治ロマンス。