あらすじ

「この箱を買えば、あなたは幸せになります」 そう言って、私は空っぽの木箱を売っている。 私は商人だ。 ただし、売っているのは商品ではない。 売っているのは――幸せという言葉だ。 中身のない箱。 ありふれた見た目。 それでも人は、そこに自分だけの意味を見つけ、価値を与える。 そんな商売を続けていたある日、一人の冒険者風の男が店を訪れる。 「幸せって何?」 「本当に今より幸せになれるの?」 次々と問いを投げかける男に、私は言葉で答え続ける。 だが、最後に待っていたのは予想外の結末だった。 男は箱を買わなかった。 金がなかったからではない。 彼は気づいてしまったのだ。 幸せを探すことが、今ある幸せを見失う理由になることを。 空っぽの箱を巡る、商人と冒険者の小さな問答。 これは、幸せとは何かを問いかける物語。

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小説を読もう2026/07/15
  • 現在の作品幸せの箱