あらすじ
文政五年、町人文化が花開く江戸・雑司が谷。 鬼子母神参道にある茶屋「豆吉屋」の看板娘・お蜜(おみつ)の前に、奇妙な貸本屋が現れた。
名を「宵書堂(よいしょどう)」
頭巾を目深に被り、大きな背負い箱を担いだ底知れぬその男は、「本とは畢竟、毒や薬と同じでございます」と嘯き、人々に本を貸し与えていく。
宵書堂がもたらす本は、人々の隠された「業」や「真実」を無慈悲に暴き出し、時としてその運命を狂わせてゆく。果たして彼が処方する本は救いの薬か、それとも破滅の毒か。 好奇心旺盛なお蜜は、宵書堂が関わる奇怪な事件に巻き込まれながら、その答えを目撃していくことになる。
謎めいた人外感漂う貸本屋と、江戸を真っ直ぐに生きる茶屋の娘が織りなす、情緒と狂気の連作時代ミステリ!