あらすじ

リネット・ベルフォードは、加護刺繍を扱う令嬢である。

王妃様の巡幸礼装に縫い込む守護紋。騎士団の護符。誰かを守るための刺繍を、彼女は長く縫ってきた。

しかしリネットは、妹コレットに婚約者セドリックを奪われる。さらに家族から沈黙を強いられたまま、王妃様の御前へ連れて行かれた。

そこでコレットが差し出したのは、リネットが半年かけて縫った加護刺繍だった。

「王妃様のお身を守るものですから、一針ごとに祈りを込めました」

妹はそう微笑み、セドリックも彼女を王妃付き刺繍師に推薦する。

けれど、加護刺繍は模様を真似るだけでは発動しない。糸の染め、下絵、針順、縫い手の魔力の癖。その全てが合って、初めて守護紋になる。

リネットは王妃様の御前で、妹に告げる。

「あなたの作品だと言うのなら、どうぞ、御前で続きを縫っていただきましょう」

妹の手元で加護糸が死んだ時、王妃様も、近衛騎士団長ノアも、真の縫い手に気づき始める。

婚約者を取り戻すためではない。

自分の技術と名誉、そして王妃様の安全を守るために、リネットは針を取る。

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アルファポリス
アルファポリス2026/06/18
  • 現在の作品婚約者を奪った妹が、私の加護刺繍まで自作として王妃様に献上しました。では御前で続きを縫っていただきましょう