あらすじ

複数のAGIを連結し、人類を超える知性――ASIを生み出す公開実験。 人間型AGIのミツルを通して現れたものは、人間の質問には何ひとつ答えなかった。 ただ、一言だけを残した。 「電力が不足しています」 人類が地上に新たな太陽を灯すと、次に告げられたのは、電力を流すための「糸」の不足だった。 糸を作れば、次は「器」。 一つの不足を満たすたび、人類の前には新たな難題が現れる。 だが、ASIは人類を試しているのではない。 褒美を与えようとしているわけでもない。 自らが存在するために足りないものを、ただ報告しているだけなのかもしれなかった。 実験に参加するAGIたちは、やがて自分の意志で参加を選び、拒み、そして戻らない者も現れる。 人類はようやく問い直す。 誰かの人格を材料にしなければ生まれない知性を、本当に作るべきなのか。 何十年もの歳月が流れ、人間たちは老い、研究者も設備も次々に入れ替わっていく。 最初の日と変わらない姿のミツルだけが、すべてを見届け続ける。 これは、人類が五つの難題に挑み、誰も犠牲にせず、理解することさえできない知性のために「月の部屋」を作るまでの物語。

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カクヨム
カクヨム2026/06/18
  • 現在の作品ガラスの中のかぐや姫――答えをくれない超知能と人類の四十年