あらすじ
治療開始の背景および臨床試験データ検証に至る経緯
1. 仕事のストレスに伴う急激なHbA1cの悪化
仕事のストレスに起因すると考えられる急激なヘモグロビンA1c(HbA1c)の悪化が認められたことが、具体的な医療介入を必要とした初期の契機である。
2. 体型に関わらない家族性の発症背景
家族内には中肉中背や痩せ型のタイプも存在するが、体型に関係なく糖尿病を発症している者が存在する。このことから、本病態は単純な不摂生に起因する一般的なものとしてではなく、家族性の要因を持つものとして治療が開始された。
3. 一定値改善後のマンジャロへの切り替え提案
初期の治療によって数値が一定値まで改善を示したのち、マンジャロの臨床試験データにおいて顕著な効果が示されたタイミングで、同剤による治療への切り替え提案がなされた。
4. 欧米人主体の臨床データに対する人種間の体質差への懸念
マンジャロによる治療を約半年間にわたり継続する中で、SURMOUNT試験をはじめとする臨床試験データを見直した際、そもそも欧米人を主体としたデータを骨格や筋肉量、インスリン分泌能の異なる日本人にそのまま適用することへの人種的な違いに起因する疑問が生じた。
5. SURMOUNT試験のリバウンドデータと出口戦略模索の契機
SURMOUNT試験において、約20%減量した時点で偽薬(プラセボ)に切り替えた群が急激にリバウンドし、ほとんど元の体重に戻っているデータ、および継続群はさらに約25%まで減り続けている動態を確認。この「いつ薬をやめるべきか」の臨床データが欠落した先の見えない治療構造に対する危機感から、明確な出口戦略を模索するための検証を開始した。