あらすじ
「どんなことでもしますから、お側においてくださいませんか?」
突如現れた令嬢に、ギルバート・アディントン伯爵は困惑した。
周囲には彼の見目や肩書、地位や財産に惹かれる女性しかいない。
だからこそ、こんな田舎の領地で、こんなにも切実なお願いを口にする令嬢は珍しかった。
きっと訳あり令嬢なのだろう。
そう考えたギルバートは、ステラと名乗る彼女を屋敷に置くことにした。
彼女はよく働いた。
見返りなど何も求めない。
ただ純粋にアディントン家に尽くしていた。
「私はお役に立てていますか?」
「もちろんだ」
その言葉に満面の笑みを浮かべる彼女を見ているうちに、ギルバートの心は少しずつ変わっていく。
ギルバートは自領にある森で静かに過ごす時間をこよなく愛していた。
しかし、最近気がかりなことがあった。
お気に入りの野うさぎが姿を見せなくなったのだ。
喪失感を抱えたギルバートの心の穴は、いつの間にかステラで埋まっていく。
これからも側にいたい。
そう願った時、二人には残酷な真実が待っていた。
そしてギルバートは未来のために決断する。
「大丈夫。また君を好きになる」