あらすじ
「お前のような、金勘定しか能のない陰気な女とは婚約を解消する」
公爵家の次期当主にそう告げられたとき、マリーは静かに頷いた。反論は、しなかった。
子爵家の三女として政略で嫁ぎ、四年間。誰もやりたがらない領地の財務を一人で背負い、二十万人の暮らしを支えてきた。けれど、ありがとうと言われたことは、一度もなかった。
――わかりました。では、出ていきます。引き継ぎ資料は、一枚も残さずに。
半年後、公爵家は原因不明の財政破綻へと転がり落ちていく。一方、流れ着いた辺境で、無骨な領主リオハルトは言った。「君の帳簿が読めるなら、領地ごと君に任せたい」と。
これは、縁の下で支え続けた令嬢が、自分の価値を初めて正しく数えてくれる人と出会う物語。
※婚約破棄/ざまぁ/溺愛/ハッピーエンド。スカッとして、最後に少し泣ける短編です。