あらすじ
神戸の私立大学に通う林真司は、将来の夢もなければ、特別な才能もない、ごく普通の大学生だった。
講義中はぼんやりし、空きコマには動画を眺め、夜は古いアパートの一室に帰る。
そんな半分眠ったような日常は、ある日、夢の中で白い少女と出会ったことで終わりを告げる。
彼女の名はレム。
現実でも夢でもない場所――虚空領域《ヴォイド》を管理する存在。
ヴォイドには、“異界”と呼ばれる無数の世界が浮かんでいる。
そして異界で起きた異変は、やがて現実世界にも影を落とす。
レムに選ばれた真司は、夢を経由して異界へ潜り、壊れかけた世界を修復する“仕事”を押しつけられることになる。
けれど、それはただの夢の中の冒険ではなかった。
現実では、異界災害の痕跡を追う者たちが動き始めている。
そして世界の裏側には、真司の知らない組織の影があった。
夢で異界に潜るだけのはずだった。
けれどその日から、彼の退屈だった日常は、少しずつ現実ごと侵食されていく。