あらすじ
本編では描ききれなかった、泉州の紅い女狐・真田紅の真実。
ベニは、舘ショーコに惚れた。
自分の拳を真正面から受け止め、泉州最強の女を屈服させるほど強く、薄っぺらい正義も振りかざさず、ただ腹を空かせて立っていた北河内のクマ殺し女。
そんなショーコに、ベニは心底惚れてしまった。
だが、ショーコの隣に立つのは、ベニではなかった。
そこにいたのは、静かで、儚げで、腕力とはまったく別の強さを持つ少女――家鋪キョーコ。
地獄のような修羅場で、化け物の前に立ち向かった、もう一人の最強の女だった。
ベニは選ばれなかった。
でも、ベニは負け犬ではない。
略奪もせず、呪いもせず、ただ泣いて、吠えて、飯を食い、失恋を狐火に変えていく。
そんなベニの前に現れたのは、純白の特攻服を着た一年生特攻隊長・篠山葛葉。
無気力ボイスで「無駄ッス」と心をえぐり、揉め事も財布の中身も有耶無耶にしていく、謎の白狐少女である。
さらに信太山からは、黒い毒蛇のような姉・清姫まで現れ、ベニの未練、嫉妬、怒り、そして男前すぎる生き様を容赦なく炙り出す。
これは、失恋しても折れない女番長の物語。
初めて愛した「強い女」に選ばれなかった紅い女狐が、それでも最後に男前に笑って去るまでの、岸和田発・狐憑き失恋コメディである。