あらすじ
また、あの季節がめぐってくる。幼馴染であり、誰よりも特別だった少女・百合(ユリ)が旅立ってから、初めて迎える春。残された春花(ハルカ)は、百合の遺品の中から一冊の小さなノートを見つける。それは、百合が病室のベッドの上で、誰にも見せずに綴っていた闘病日記だった。掠れた文字、震える筆跡。そこに書かれていたのは、いつも強がって笑顔を見せていた百合の本当の涙と、春花への「友達」という境界線を越えた、切なすぎる秘密の恋心で――。止まったままの百合の時間と、進み出せない春花の時間。遺された日記の言葉が、二人の最後の春を再び動かし始める。