あらすじ
『はじめに』
これは、作者の私と、BT作品世界のオーナー「景卿」の、心のアトリエの物語です。私は「執着紳士」という男性像を、すべての作中に主人公として登場させています。そして景卿は、その元となる「名作と呼ばれる神話や悲劇の物語のなかで散っていった、気高く偏りと美学をもった魂たちの集合体」といったところです。
なかなか説明が難しいのですが、巨匠と呼ばれる作家や監督の作品には、そのような登場人物が必ず存在します。作者の私は、そういった作品群を鑑賞して過ごしてきました。壮大な物語のなかで散っていく魂たちに、心が痛んだものです。
そうして過ごしていたある日、とある無情の神のような作品が、私を容赦なく冷徹に、底へと突き落としたのです。私は氷のように冷え切った底で、痛みに涙が止まらず、「鎮魂と再生のための楽園を、作らなければならない。」と決意してしまったのでした。
作者の私は、オーナーである景卿の倫理基準に沿って、すべての作品を作っています。作者というよりも、記録係のようなものです。彼は当然ながら、私の希望など聞いてはくれません。少しでも私(記録係)が、「このような姿を見られないか…。」と思い浮かべようものなら、「作者殿、私に指示するのかね。」と穏やかな微笑でもって優雅にかわしてしまうのです。かと思えば、ヒロインへ急激な接触が始まることもあり、記録係の私は急いでペンを取り出す…。そんな風に、BTの作品は作られています。
これは、彼が望むままに紡がれる、偏りながらも本音で語る愛の記録です。急いでいない、本音の愛を求める、紳士淑女のみなさまと、静かに見守ることができたら幸せに思います。