あらすじ
頬笑は家で飼っている白黒の多毛種のミックスのことが心配だった。ミックスは犬のような外見でありながら、しっぽが左右で色違いのふたまたになっている奇妙な犬のような生き物だ。性別はメス。前足と後ろ足の片方がともに弱っており、どうしても歩くときな不器用な動きになる。ある日、ミックスは何の前触れもなく、野良犬(厳密には犬のような生き物なので野良犬というのは適切ではないとは思うが)として頬笑の家にやってきた。
「いつかよくなるからね」
なんの説得力もないことを頬笑は十二分に理解していたがミックスを元気づけるために彼女はそう言っていた。
頬笑は晴れた日は花々が植えられた庭の縁側でミックスの背中を撫でながら、ひなたぼっこするのが一日の過ごし方だった。
ある時、いつものように縁側でくつろいでいると、視界の端から棒状のものが転がってくるのが見えた。