あらすじ
昭和の終わり、高度成長期の熱気がまだ残る時代――。
大学理工学部を卒業した一人の青年は、本来志望していた機械系商社の面接帰り、偶然立ち寄った銀行の「面接受付中」の看板に足を止める。何気なく提出した一枚の履歴書が、彼の人生を大きく変える始まりだった。
小児麻痺による障がいを抱えながら、昭和の都市銀行へ入行。大阪研修所では東大、京大、慶應、早稲田といった名門大学出身者たちに囲まれ、自分だけが場違いな存在のように感じていた。
厳しい上下関係、終身雇用、会社中心の人生――。
昭和の銀行文化の中で働きながらも、彼の心には次第に「このままで良いのか」という迷いが芽生えていく。
そんな時、かつて語学研修で出会った小さなドイツ専門旅行会社との再会が、彼を新しい世界へ導いていく。
安定を捨て、転職を選ぶという決断。
結婚を目前にしながら揺れる心。
そして、初めて降り立ったドイツの空気。
昭和、平成、令和――。
時代の変化の中を生き抜き、73歳になった今、彼はAIと会話をしながら静かに人生を振り返る。
これは、障がいを抱えながらも、自分の人生を選び続けた一人の男の「昭和を生きた証言」である。
この物語は 7章と最終章まで 続きます。ご興味を持っていただけましたら第2章以降は kindle電子版にて 公表しております こちらの方も よろしくお願いします。
第1章 銀行員だった頃 1
第2章 昭和の銀行文化 5
第3章 辞めたい気持ち 9
第4章 人生を変えた誘い 12
第5章 退職を言い出した日 15
第6章 転職の現実 19
第7章 ドイツへ 22
最終章 73歳になって思うこと 24