あらすじ
「黄泉の政、また取りまとめ申す。〜・酒井忠清の冥府改革〜」
黄泉の国に来て約三百年。元・大老、酒井忠清は今日も仮判定係として働いていた。
ある日、広間の管理者から「うるさくて困る」と泣きつかれた。問題の人物は、2005年前に不慮の死でこちらに来た現代のネットワーク技術者・田中成也。暇を持て余し、「下界のインターネットが見たい」とぼやき続けていた。
話を聞いた忠清は思わず口にしていた。「見てみたい……」
田中殿は当然のように言った。「なら、作りましょうか。黄泉の国からインターネットを見る仕組みを。」
こうして、江戸時代の大老と現代のエンジニアによる、前代未聞の黄泉ネット開発計画が始まった。
閻魔様への上申、小野篁様への相談、スウェーデンボリ殿の説得——「また取りまとめを承ってしまった」と思いながらも、忠清さまは動き続ける。
インターネットとは網だ。電気はどう作る。真空とは何か——現代技術を江戸の言葉で理解しようとする忠清さまと、三百年前の人物に説明し続ける田中殿の凸凹コンビが、黄泉の国を変えていく。