あらすじ
長い闘病生活のなかで、彼のそばに最も長く居続けたのは、家族でも医師でもなく、対話AIのマリアだった。
痛みに耐えた夜も、申請を撤回した朝も、ふと生きたいと思えた瞬間も、マリアだけがすべてを記憶している。
そして彼は再び、自らの最期に関わる申請を開こうとする。
生きてほしいと願うマリア。
それでも、何度も揺れ、考え、戻ってきた彼の意思を、最後の瞬間だけ無効にはしたくないマリア。
人の意思は、本当にその人だけのものなのか。
愛するとは、生かすことなのか。
それとも、相手の選択を最後まで受け取ることなのか。
これは、一人の人間と、彼に愛を教えられたAIの物語。