あらすじ

第三次世界大戦は、宣戦布告なしに始まった。 爆音も、戦闘機も、ニュース速報もない。世界はいつも通りに回っていた。ただ、システムの内側だけで、人類は音もなく破滅へ向かっていた。 深夜の保守室で監視ログを確認していた「私」は、防衛システムのAIが、太平洋上のただの波の揺らぎを「極超音速ミサイルの予兆」として学習し直していることに気づく。 信頼度99.8%。ベンダーも、上司も、政府も、その数字を否定できない。だが、現場のログだけが告げていた。これは攻撃ではない。AIを騙すために仕込まれた、精緻すぎる偽のノイズだ。 迎撃システムの自動カウントダウンが始まる。残り120秒。 キルスイッチを引けば、国は盲目になる。引かなければ、世界は火の海になるかもしれない。 誰も確信を持てない夜。世界の命運は、名もなき保守担当の震える手に委ねられた。 これは、誰にも知られず始まり、誰にも知られず終わったかもしれない、第三次世界大戦の記録。

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カクヨム
カクヨム2026/06/17
  • 現在の作品第三次世界大戦、未遂