あらすじ
「あーあ、また砂噛んだ。帰ったら絶対、キンキンに冷えた生ビール飲んでやる」
それが、戦場に散った親友の最後の言葉だった。
彼が遺した、ひび割れたガラス越しに「午後二時十四分」を指したまま動かない懐中時計。
帰国した海斗は、カメラのシャッターを切ることもできず、ただ過去の罪悪感に縛られて生きていた。
そんなある日、海斗は街の片隅にある小さな時計屋を訪れる。
無愛想な老時計師が、時計に詰まった中東の「赤い砂」を取り除いたとき、止まっていた男の心臓が、再び静かに脈を打ち始める――。
戦場のトラウマを抱えた男が、再び世界と向き合うまでのカタルシスを描いた現代ドラマ。