あらすじ
クラスの超人気者で、天真爛漫を絵に描いたような女子、咲月(さつき)。
席替えで隣の席になったばかりの彼女から「花火大会にいこ!」と誘われた。
当然、いつもの賑やかなグループで行くのだろう――。
そう思って、荷物持ち兼カメラマン要員として覚悟を決めてやってきた歩(あゆむ)を待っていたのは、鮮やかな朝顔柄の浴衣に身を包んだ、とびきり可愛い咲月の姿だった。
「他ってみんなのこと? 呼んでないよ? だって歩くんと二人で花火見たかったんだもん!」
あっちの屋台へふらふら、こっちの金魚すくいへふらふら。
手を引かれ、完全に振り回されっぱなしの歩。
けれど、人混みの中で触れ合う熱い体温に、歩の心臓のバクバクはもう限界で――。
「大成功! すっごく楽しい!」
振り回されていると思っていたのは自分だけ?
夜空に咲くどんな大輪の花火よりも眩しい笑顔で、彼女はまっすぐに想いを伝えてくる。
天真爛漫な彼女のハッピーな計画に、至福の敗北感を味わう――夏の夜の甘酸っぱい青春ショートストーリー。