あらすじ
この世界の子どもたちには性別がない。
中には魔法の力を持つ子どもたちがいる。
大人になると性別が分化して、魔法の力は失われる。
大人になる条件は三つ。
大人に守られずに、過酷な環境で生きること。
大人の知識に気づき、身につけてしまうこと。
そして、誰かに恋をすること。
だから魔法使いたちは、優しい繭の中で眠っている。
いつか役割を終える日まで。
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青藍《セイラン》のあとに、南一班には月草《ツキクサ》が加わった。
怖がりで、緊張しやすくて、まだ自分の居場所を探している小さい月草。
明るくて、うるさくて、少しだけお兄ちゃんになった鶸《ヒワ》。
丁寧で、落ち着いて見えるのに、自分の気持ちをうまく扱えない深緋《コキア》。
食堂、待機室、検診、訓練、避難任務。
子どもたちは今日も、大人たちに見守られ、測られ、任務へ出て、同じ部屋へ帰ってくる。
戻らないものがある。
戻れないときもある。
それでも、暮らしは続いていく。
これは、深緋・鶸・月草の三人が、新しい南一班になっていく物語。
なくしたものを抱えたまま、それでも一つずつ、覚えていく。