あらすじ
変わらなければと分かっている。でも、動けない。
28歳の営業マン・岡田祐樹は、そんな自分を誰より知っていた。コンビニのレンジで弁当を温める深夜、店内から流れてきたあの曲が、封じていた問いを静かに揺さぶる。
やがて彼は、準備不足のまま大勝負に挑み、惨敗する。逃げるな、と思って踏み込んだ先で待っていたのは、無残なプレゼンだった。
しかし——失敗した夜、彼はまだ机の前にいた。
これは、劇的な逆転の物語ではない。臆病な一人の人間が、諦めかけたその数秒後から、もう一度だけ立ち上がるまでの、静かな記録である。