あらすじ
夜中、寝ぼけてトイレへ向かった少女は、洗浄乾燥器付き便座がないことに絶望した。
危うくボットントイレへ転落しかけた拍子に思い出したのは、前世――日本で暮らしていた記憶。
そして、自分がアニメ史に燦然と名を残す名作、
『欲しがり妹へ〜ギロチン台に咲く真紅の薔薇〜』
に登場する、破滅確定の欲しがり妹キャロライン・ユアコールドだという事実だった。
残された時間は一年余り。
このままでは、待っているのはギロチン一直線。
打開策の思い浮かばないキャロラインは、我が家唯一の常識人である姉ジェーンへ相談に向かう。
ところが、顔を見た瞬間、思わず叫んでしまう。
「悪役令嬢ジャンヌ!! なんであなたが姉をしているのよ!?」
実は姉も転生者。
しかも、この世界は一つの物語では説明できない、不思議な矛盾だらけだった。
欲しがり妹、悪役令嬢、婚約破棄、聖女――。
なぜか名作たちの世界が入り混じり、混沌とした未来は誰にも見通すことができない。
それなら、欲するものは自分で選べばいい。
欲しかったのは、誰かの婚約者でも侯爵夫人の地位でもない。
冬でも冷たくない便座に、快適な暮らし、そして前世では当たり前だった生活だったのだから。
これは、破滅フラグを回避したい欲しがり妹と、限界オタクな姉が、少しだけ世界を便利にしながら、自分たちの未来を切り開いていく物語。