あらすじ
ユーリの身体は、砕けてしまった。
姉を救うため、少年ユーリは異世界へ飛び込んだ。
だがその世界は、彼の存在そのものを拒絶した。
とりわけ「時」と「死」が彼を否定し、ユーリは〈時を逆走する怪物〉へと変貌していく。
過去を繕い、未来を変えようとする旅の果て──
彼が辿り着いたのは、世界の“始まり”──創世の時代だった。
濃密すぎる魔術に呑まれ、記憶も身体も砕け散った彼は、
なおも終わることさえ許されず、名も物語も持たない存在として目覚める。
『空名の怪物』。
これは、砕けた過去の自分から断片を集め、
ふたたび姉の笑顔にたどり着こうとする、ひとつの祈りの物語。