あらすじ
手作りのイチゴオレの味は、私が犯した罪の消えない烙印である
幼い頃、クラスの人気者だったカズキを言葉の暴力で追い詰め、歪んだ優越感に満たされていた「私」。中学の夏休みに彼と過ごした日々に飲んだ、あの生臭くミルキーなイチゴオレの味を、30年経った今も忘れることはできない。
娘の親となり、過去に蓋をして生きてきた私の前に、ある日突然カズキが再び現れる。大人としての社交辞令の裏で、静かに突きつけられる因果応報の罰則。親として、加害者として、一生抜け出せない記憶の「沼」を描き切った魂の私小説。