あらすじ

関東は縄文の楽園だった。 荒ぶる利根川は大地を潤し、東京湾は今より深く入り込み、千葉は海に浮かぶ島のようだった。 魚と貝は豊かに湧き、森には木の実と獣が満ちていた。 丸木舟は早くから発達し、人々は川と海を行き交い、広い関東をひとつの世界として結んでいた。 その世界に、新たに住み始めた者たちがいた。 行田のケヤキの民。 彼らは移動する縄文の民であり、巫女の言葉を重んじ、関東の巫女たちを結ぶ“見えない道”を強めていった。 争いを避け、共に生きることを尊ぶ縄文の理。 関東は、巫女と民が織りなすひとつの大きな世界になっていった。 しかし南から、米と鉄を携えた弥生の勢力が迫るが、湿地に守られた関東にはすぐには入れない。 それでも少しずつ、確実にその影は広がっていく。 そのとき、北川辺の大巫女は気づいていた。 関東の未来が変わることを。 そして、行田のケヤキの民がその中心に立つことを。 やがて関東には、縄文の主が現れ、 近畿の勢力と結びつく“王権の核”が生まれようとしていた。 それはどのように生まれ、どこへ向かったのか。 そしてケヤキの民は、その時代のうねりの中で何を選び、何を守ったのか。

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小説を読もう2026/06/17
  • 現在の作品関東の縄文