あらすじ
帝都の下町に暮らす、若草色の髪をした平民姉妹。
妹のシーナにとって、姉のセリアはたった一人の家族であり、世界で一番大好きな人だった。
けれどある日、癒しの力を持つセリアは、貴族の屋敷へ「治癒師見習い」として連れて行かれてしまう。
最初のうちは、手紙と仕送りが届いていた。
文字の読めないシーナは、姉が描いてくれた花の絵を眺めながら、その手紙を宝物のように抱きしめていた。
しかし、ある月を境に、手紙は途絶える。
姉に会いたい。
その一心で貴族街へ向かったシーナは、冷たい門前払いを受け、雨の路地裏で思いもよらぬものを見つけることになる。
読めなかった手紙。
けれど、捨てなかった宝物。
平民の小さな声に耳を傾けた皇妃との出会いが、姉妹の運命を大きく動かしていく。