あらすじ
泉 櫂(いずみ かじ)
四十五歳/精神科医
幼少期からカルト宗教の家庭で育ち、感情表現を禁じられてきた元神童。
十八歳で脱会後、人間を学び直し精神科医となる。
卓越した知性と観察眼を持ち、人の心を読むことに長ける。
誰にでも優しく穏やかで、周囲からは理想的な人格者として慕われている。
しかしその本質は極めて冷静で達観的。
他者を救うことはできても、自分を救う方法だけは知らない。
二十六歳の時に自殺未遂を経験。
以降も死への憧憬を抱えながら生き続けている。
日下部肇の恩師であり、人生を変えた人物。
妹・明にとっては人生の支柱であり続けた兄。
誰かの人生を支え続けることで、自らの存在意義を保ってきた男。
無性愛の死性愛。
そして大切な人々が自らの足で歩き始めた時、
彼が選んだ道は――。