あらすじ
乙女ゲームが大好きな姉妹、
美月と陽菜は、雨の日にトラック事故に
巻き込まれて命を落とした。
次に陽菜が目を覚ますと、
そこは二人で何度も遊んだ乙女ゲーム
『聖女の祈りと、黒薔薇の檻』の世界。
しかも陽菜は、どの攻略ルートを選んでも
必ず死んでしまう悪役令嬢、
ヴィオレッタ・ローゼンベルクに転生していた。
処刑、暗殺、事故死、魔物の襲撃――
待っているのは、形を変えた死亡エンドばかり。
ゲームの展開を覚えている陽菜は、
生き延びるために王太子との婚約を避け、
攻略対象たちから距離を取り、
物語の中心である聖女にも
関わらないと決意する。
しかし、どれだけ未来を変えようとしても、
聖女を中心とした物語はヴィオレッタを
破滅へ引き戻そうとしてくる。
一方その頃、神殿では記憶を失った少女が
聖女として目覚めていた。
彼女こそ、陽菜の姉・美月。
けれど美月は前世のことも、妹のことも、
自分が転生者であることさえ覚えていない。陽菜もまた、聖女が姉だとは知らないまま、
彼女を自分を死へ導く存在だと思い込んでいた。
記憶を失った聖女と、
死の未来を知る悪役令嬢。
すれ違った姉妹は、互いの正体を知らぬまま、
ひとつの物語の中で敵として出会う。
「聖女が幸せになるために、
私が死ななければならないのなら――
そんなルート、壊してみせる」
これは、死亡確定の悪役令嬢となった妹が、
運命に抗い、生きる未来を掴み取る物語。
そして、すべてを忘れた姉が、
もう一度大切な妹を思い出す物語。