あらすじ
この世界では、自由は最初から存在しない。
人口三十万人が暮らす閉じられた社会。
そこでは職業も、結婚も、すべてが管理されている。
好きなことを仕事にすることも、愛する相手を選ぶことも許されない。
――それが「正しい生き方」だからだ。
医学部五年の柏木龍星も、そう信じていた。
疑うことすらせず、与えられた道を歩いていた。
だがある日、
「それは本当に正しいのか」と問いかける青年と出会う。
好きなことを貫こうとする者。
禁じられた想いを隠さない者。
そして、“この世界のルール”そのものに逆らう者――。
彼らの生き方は、あまりにも危険で、あまりにも眩しかった。
やがて龍星は気づく。
自分はただ「従っていただけ」だったのだと。
――この世界は、本当に正しいのか?
――そして、自分は何を望んでいるのか?
その答えを探した先にあったのは、
「空」を目指すという、たった一つの選択だった。
これは、すべてを管理された世界で、
一人の青年が“本物”を求めて抗う物語。
たとえその先に、何が待っているとしても。