あらすじ
「証拠は、ございます」――そう告げた瞬間、その証拠は、握りつぶされた。
完璧な法務令嬢コルネリアは、聖女の“心証”と取り巻きの偽証だけで、無実の罪を着せられ、辺境へ追放される。
けれど彼女は、泣かなかった。「この審理は、記録に残る。記録は、いつか証拠になる」と告げて。
たどり着いた辺境は、気持ちと力だけで人が裁かれる、無法の地。
コルネリアは決める。事実だけで人を裁く“裁定所”を、ここに作ると。
握りつぶされた証拠は、消えない。誰かが拾い、記録すれば、必ず戻ってくる――最も、見られたくない場所へ。
これは、感情で人を断罪する王都を、記録の力で静かに覆していく物語。王都へは、もう、戻らない。