あらすじ
――女の友情という名の地獄に、心がポッキリと折れたあの日。
――親の「あなたのため」という善良な正論に、息ができなくなったあの日。
個別指導塾の講師・千尋(ちひろ)には、10年前、地方の狭い女子校から逃げ出した過去があった。傷を抱えたまま大人になった彼女の前に現れたのは、かつての自分と同じように、スクールカーストと母親の過干渉に潰されかけている高校2年生の結衣(ゆい)。
逃げ場所を求める結衣は、立ち入り禁止の旧校舎の屋上で、古い制服を着た謎の少年・ハルと出会う。
「僕は君の、100%の味方だよ」
ハルにドロドロとした本音を零すたび、結衣の周りの「嫌な現実」が、まるで願いが叶うかのように少しずつ歪み始める。不審に思った結衣が学校に隠された10年前の事件を調べ始めたとき、千尋の苦い過去と、ハルの正体がパズルのようにつながり――。
傷だらけの大人と、息ができない少女。
2つの時代を繋ぐ「痛み」のち「救い」の青春ファンタジーミステリ。