あらすじ

ルミナス湾の村に暮らすリラ・マーレンは、おとぎ話と恋愛詩をこよなく愛する十代の少女だ。市場では浮き、農夫には笑われ、唯一の避難所は湖畔で一人本を読む夕暮れだけ——そんな彼女の日常が、空から落ちてきた一人の少年によって終わりを告げる。 少年の名はカイ。異世界エルド・ラインの戦士で、時空の歪みに呑まれてリラの世界に不時着した。正体を隠したいカイと、「異界の落下者に違いない」と妄想を全開にするリラ。会話が成立しないまま、なぜかカイは農場の居候になった。 転機は、世界が「混ざり合う」ことで訪れる。リラの暮らす魔法と勇者の世界に、エルド・ラインの機械兵器と侵略者が流れ込み始めたのだ。 そこで明らかになる、驚くべき事実がある。リラが「妄想」として読み続けてきたおとぎ話の知識——地形、戦術、千年前の英雄譚——が、混ざり合った世界では最高の地図として機能する。剣も魔法も持たない少女の「物語を知っている」という力が、本の言葉を現実に変え、軍勢を退け、戦士の鎧になる。 リラはカイの「地図」として、カイはリラの「騎士」として、二人は絶望的な戦場を駆け抜ける。 だが勝利の夜、カイは一人で空を見上げた。遠い北の方角で、何かが——まだ、動いている。 「守る人がいる場所は、温かくなる。本の中でも、ここでも」 妄想少女と不器用な戦士が紡ぐ、おとぎ話と宇宙戦艦が混ざり合う異世界ラブファンタジー。

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カクヨム
カクヨム2026/06/16
  • 現在の作品おとぎ話は、いつも正しかった