あらすじ
侯爵令嬢アルテッツァは、元婚約者に家の財政難を理由に捨てられ、愛を信じることをやめた。
そんな彼女に持ち込まれたのは、冷徹無比と噂されるヴォルティア大公アレクセイとの政略結婚。
提示された条件は、愛情を求めず、互いに干渉しない「白い結婚」だった。
傷つくくらいなら、最初から何も望まない方がいい。
そう考えたアルテッツァは、薬草研究に没頭できる自由を求めて、その契約を受け入れる。
けれど、結婚生活が始まると、冷徹なはずの大公はなぜか彼女の体調を気遣い、朝食を用意し、研究資料を集め、社交界では「我が妻」として守ってくる。
「これは白い結婚ではなく、契約違反ではありませんの?」
戸惑いながらも、アルテッツァは彼の不器用な優しさに少しずつ心を開いていく。
一方、彼女を見下していた令嬢たち、偽りの告発を仕掛ける元縁談候補、そして今さら未練を見せる元婚約者たちは、自らの悪意によって次々と立場を失っていく。
薬草令嬢と侮られたアルテッツァは、知識と記録を武器に陰謀を退け、やがて王国の人々を救う薬草研究院の創設へと歩み出す。
これは、愛を諦めた令嬢が、冷徹大公の不器用な溺愛に包まれながら、自分の価値と本当の幸せを取り戻す物語。