あらすじ
景司は幼い頃から危ない橋を渡るのが好きだった。村外れの壊れかけた木橋、自転車で迷い込んだ山道、誰も行きたがらない営業先。危険だからではなく、その先に何があるのか知りたかったのである。
社会人となった景司は、小さな商社の営業として数々の困難に挑む。誰も見向きしない地方工場との取引を成功させ、大口案件にも果敢に挑戦する。一方で投資話や借金問題に巻き込まれそうになりながらも、人を見る目と経験を少しずつ身につけていく。
やがて業績不振の地方工場へ出向した景司は、存続の危機にある現場を立て直すため奔走する。主力取引先の倒産という絶望的な状況の中でも諦めず、小さな信用を積み重ねて再生への道を切り開いていく。
数々の失敗と成功を経験した末に景司がたどり着いた答えは、「人生とは危ない橋を渡ることではなく、渡る価値のある橋を選ぶこと」だった。人のため、仕事のため、自分自身のために歩み続けた一人の男の成長譚である。