あらすじ
「自由に生きたい」
それが、最上奏の願いだった。
高校生だった奏は、事故によって命を落とす。
気が付くと、そこは何もない白い空間だった。
そして目の前には、自らを神と名乗る存在がいた。
神は奏に告げる。
新たな人生を与えよう、と。
剣と魔法が存在する異世界。
魔物が跋扈し、多くの種族が生きる未知の世界。
そこで再び人生をやり直さないか、と。
地球での人生に未練がなかったわけではない。
だが、誰かに決められたレールの上を歩き続けるだけの日々にも、奏は息苦しさを感じていた。
だから彼はその提案を受け入れる。
今度こそ、自分の好きなように生きるために。
神から与えられた力は一つだけ。
――【重力操作】。
魔力を持たない代わりに授けられた、不思議な力だった。
物を軽くする。
自分の身体を少しだけ浮かせる。
相手の動きを鈍らせる。
派手な魔法のような力ではない。
だが、それは確かに世界の理に干渉する特別な力だった。
そして奏は知らない。
その力が何のために与えられたのかを。
自分を異世界へ送った神の本当の目的を。
これは自由を求める少年の物語。
誰にも縛られず、自分の意思で生きるために異世界へ降り立った一人の少年が、やがて世界の運命そのものへ関わっていく物語である。