あらすじ
回避率100%の生贄少女】×【世界を滅ぼしかけた伝説の水龍】×【筋肉だるまな勘違い紳士魔法使い】
――出会ってはいけない三人が織りなす、絶対に攻撃の当たらない(当たらせない)勘違いファンタジー、開幕!
漆黒の森に「生贄」として捧げられた無表情の少女、サエ。
絶体絶命の崖っぷちで彼女が出会ったのは、かつて世界を滅ぼしかけた伝説の『水龍アイル』だった。
利害の一致から魂の契約を結び、サエに力を貸したアイル。
自分の魔力を分け与えたのだから、少女の身体能力が上がり、動きが速くなることまでは分かっていた。
――だが、アイルはすぐに驚愕することになる。
「……ねえサエ。いくら足が速くなったからって、なんで君、敵の猛攻も勇者の放つ矢すらも『紙一重』の最小限の動きで躱し続けられるの……!?」
それは、サエが村で理不尽に石を投げつけられ、拒絶され続けてきた過酷な過去の副産物だった。
生き延びるために身体に染みついていた「避ける技術」が、水龍の恩寵によって完全覚醒。どんな攻撃もかすりもしない、無表情な絶対回避の少女が爆誕してしまう。
しかし本人は至ってマイペース。緊迫した戦闘中も、脳内でアイルと漫才のような雑談を繰り広げる始末。
そんな二人の前に現れたのは、これまた規格外の「魔を使いし者」ガスバティーン(通称ディーン)。
「敗因は筋肉が足りないこと!」と言い放ち、魔獣をゼロ距離ファイヤーボールで爆散させる筋骨隆々の大男。
しかも彼は、サエを「夜の森に取り残された薄幸の可憐なレディ」だと激しく勘違いしてしまい……?
自分の凄さに気づかない無表情少女と、彼女を甘やかす元凶の水龍、そして一人で熱く空回りする筋肉紳士。
噛み合っているようでどこかズレた、ふたりと一匹の奇妙な旅が今、始まる!