あらすじ
※ 城を擬人化した歴史ファンタジーです。タイトルにて城名が入っている回は、身体修復描写、拘束表現、フェティッシュ性を含む演出があります。
【歴史×職人×人間形城郭】
廃城令で一度“殺された”城たちが、男の姿で目を覚ます。
新しい時代は、彼らを兵器と呼び、資産と呼んだ。役に立つ城を並べる、長い戦の世。
私は修繕師。傷ついた城を直す職人で、ただの——救いようのない城マニアだ。
担架で運ばれてくる彼らの体は、ひどく傷んでいる。腐った鉄筋、傾いた芯、砕けた石垣。直す仕事は、深く、長く、痛い。それでも彼らは麻酔を断って、歯を食いしばる。
やがて漆を引き、磨き上げる頃には——強面の城たちは、とろけて、頬を染めて、隠していた傷を露わにする。
本物か、偽物か。木か、コンクリートか。役に立つか、立たないか。
——そんな物差しは、私の道具箱には入っていない。
私の前にいるのは、ただ、冷えて、手入れを待っている、一人の城。
直すのは、用途じゃない。
彼らの体に触れ、もう一度“城”に戻していく——修繕の記録。