あらすじ

「ディアナが悪役令嬢(悪女)ですって!?」 前世の記憶なんて、私にはこれっぽっちもない。分かっているのはただ一つ。目覚めた時、私は冷たく硬直した死体になっていたということ。それも、謎めいたシナリオの中で、ヒロインの手によって心臓を剣で貫かれて死ぬ運命にある悪女――ディアナ・ライラの棺の中で。 この二度目の人生は、私にとってリセットボタンを押す絶好のチャンスだ。記憶喪失のフリをして、ディアナの最悪なイメージを払拭し、愛する妹のベラ・セレスタと平穏に暮らしてみせる。あの悲劇的な運命なんて絶対に迎えさせない、私が絶対に叩き割って見せるわ。 だけど、歩みを進めれば進めるほど、あのフィクションのはずのシナリオが、恐ろしいほどの現実味を帯びていく。 私はてっきり、悪役令嬢としての破滅フラグを折るために戦っているのだと思っていた。 気づいていなかったのだ。あの血塗られた月が、私の亡骸にその光を注いだあの瞬間から――私はもう、シナリオを演じるただの人間などではなく、もっと別の、遥かに悍(おぞ)ましい『何か』に変貌していたのだということに。

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小説を読もう2026/06/15
  • 現在の作品二度目の人生、君を愛そう